「明白な目的を持って書かれた小説は文学的に成功できない」
(ソウル=聯合ニュース)キムゲヨン記者=「歴史で"純粋な白黒"を分ける判断はありえないというのが私の個人的見解です。小説はそんな断片的な思考に対抗するために存在するものだと私は思います。」
日本の小説家村上春樹(68)は17日、歴史問題を見つめる自身の考えをこのように明らかにした。新作「騎士団長殺し」を国内に出版した出版社文学ドンネと書面インタビューでだ。春樹は新作「騎士団長殺し」の南京大虐殺の記述で、日本の右翼の攻撃を受けた。
彼は「小説が一種の戦闘力を備えるべき時」とも言った。しかし、「ある明白な目的を持って書かれた小説は、ほとんど文学的に成功できない」として理念のツールとしての文学は、否定的に見た。新作「騎士団長殺し」を書くために1年半ほどかかったとし、「「残りの人生で小説を数本さらに書くことができるだろうか」という気がする」と言った。
作家が7年ぶりに出した本格長編小説「騎士団長殺し」は、夏シーズン書店ベストセラー1位を席巻して冷めない人気を誇示している。文学ドンネはこれまで4刷、40万部を刷った。作家と一問一答。
- デビューして40年になっていきます。デビュー作から「騎士団長殺し」までの作品を振り返って見たときに変わった点があるならば何でしょうか。逆に、自身の文学世界で変わらない核心は何ですか。
▲最初の小説を書いた時が29歳だったが今は68歳になりました。それが最も大きな違いだと思います。29の時は「小説のようなものは今後いくらでも書くことができる」と思ったが、68になってみると「残りの人生で小説を数本さらに書くことができるだろうか?」という思いが自然に出ます。何といっても、これは大きな違いです。代わりにそれほど大切に惜しむ気持ちで作品を書くことになります。しかしながら文を書くことを楽しむという点だけは昔も今もほとんど同じです。文章を書くことは変わらず楽しいです。まるで楽器を自由に演奏するかのようにですね。
- 構想から脱稿までどのくらいかかったか知りたいです。作品を構想することになったきっかけは何なのか、構想の過程で特記すべき経験はなかったのか気になります。
▲約1年半かかりました。小説を書いている間、気分転換に翻訳を少ししたこと以外は、ほぼ他の仕事をしていません。構想というほどのものはありません。思いつくまま、自然に話をするだけです。文章が「書かれる」のを望めば執筆を開始し、毎日続けて書いていき、すべて書くまで休みません。自由なこと、それが最も重要です。私の場合構想のようなものはだいたい邪魔になるだけです。
- においに対する描写が多様に登場します。嗅覚という感覚がひときわ今回の本に顕著な理由があるでしょうか。
▲私はできるだけ五感をすべて活用して文章を書こうとします。もちろん嗅覚も五感の一つですね。特に嗅覚を意識しなかったが、その言葉を聞いてみるとそうなのかも分からないですね。
- 作品でずっと「考えるままに行動すること」、「自身を信じること」に対する話が出てきます。生きてきて、自身が信じる通り進んだのか、作家として自らを信じる力が主人公のようにしっかりしていたのですか。
▲私は日常生活では、私の意見や信念をかなり確実に持つ方です。しかし、(多分、逆説的に聞こえるかもしれないが)私がより根本的な次元で信じているのは、むしろそのような意見や信念を一瞬にして無化させてしまう、僕自身を超越したところに存在する流れのようなものです。そのような力を正面でしっかりと受け入れなければ、あるいはそのような力に素直に身を任せなければ小説を書くことができません。私はそのように考えます。
- 今回の作品の出版以来、日本極右派から少なくない攻撃を受けられたと知っています。韓国でも最近歴史教科書をめぐり、左右対立の時間を経なければなりませんでした。平行線を描く歴史観の間で接点を見つけるのは容易ではないようです。このような問題が解決されることができるとみますか。そうであるなら文学がどのような役割をすることができますか。
▲歴史で「純粋な白黒」を分ける判断はありえないというのが私の個人的見解です。しかし、現在のインターネット社会では、「純粋な黒か白か」という原理で判断が行われるのが常です。そうなれば、言葉が硬く固まって死んでしまいます。人々は言葉をまるで石ころのように扱い、相手に投げまくります。これは非常に悲しくもあり危険千万なことです。
小説(物語)はそのような断片的な思考に対抗するために存在するものだと私は思います。そのような意味で、今こそ小説が一種の(良い意味の)戦闘力を備えなければならない時ではないでしょうか。そして再び言葉を復活させる必要があります。言葉を暖かいもの、生きているものとして扱わなければなりません。そのためには、必然的に「良識(decency)」と「常識(common sense)」が要求されます。
- 韓国の国民は、2014年のセウォル号沈没で数百人が水の中に沈んだ事件を共同体的トラウマとして経験しました。今回の作品で、東日本大震災が扱われています。災害以後の文学、そして文学人は果たして何をすることができて、またしなければならないでしょうか。
▲どのようにすればそのように大きく深い集団的心の傷を物語が有効に表現して、さらに治癒することができるだろうか?これは非常に難しい課題です。複数回試みたのだが、残念ながら今のところ、ほとんどあまり成功できなかったこととして、少なくとも私にはそう見えます。皆さんはどう思いますか? 一つ覚えておくべきことは、「ある明白な目的を持って書かれた小説は、ほとんど文学的に成功できない」という事実です。それならどのようにすべきか? 言うまでもなく、これは作家一人一人に任せられた重大な課題です。目的を抱く目的を凌駕する(あるいは消してしまう)こと。いくら難しくてもこのような試みに必ず挑戦しなければなりません。そしてできるなら、その中ですべての人が共有することができる何かを構築する必要があります。
- 「物語の力」について格別な信念を持っておられることが分かります。「小説」や「文学」より「物語」という表現をより好む理由は何ですか。物語の何が私達にそのように切実なのでしょうか。
▲私の定義によると、物語とは頭で考えて作りだすことができるものではありません。物語は、体の中から自然に流れ出る、あふれでるものです。意味や定義、何何の主義のようなものを遙かに超えたものです。場合によっては、理性や善悪の概念さえ超越したりもします。同時に、時間と空間、言語や文化の違いを超えて、人々の心を物理的に動かす「善良な力」を持ったものです。そのような力を持つことができなかった小説は、おそらく読者をひき寄せることができないでしょう。しかし、そのような物語の力を生き生きと正確な文章に移すことは、優れた能力と多くの経験を必要とします。誰にでもできることではありません。私はそのようなことを少しでも上手にしたいという気持ちで長年それなりの努力を重ねてきました。もちろんこれからもずっと努力するつもりです。
- 韓国の多くの読者が会いたいです。韓国を訪問する計画はお持ちでないでしょうか。
▲いつかそのような機会があればいいのですが、実は私は公的な行事をあまり好まず、メディアに出演することもほとんどないので、どうしても最終的には、このような招待を遠慮することになります。しかし、韓国の読者の皆さんにはいつも格別の感謝を感じます。長年にわたり私の本を変わらず熱心に読んでいただきました。今回の作品「騎士団長殺し」も楽しく読んでいただければ、本当に嬉しいです。
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=103&oid=001&aid=0009411909
韓国・反応
・人間自体を目的とする韓国純文学はすでにしんでから久しい、、、ただただ理念的目的と政治的目的を持っている小説と芸術を口実にした自分の理念表現程度の作品と作家が掌握した韓国の文壇、韓国の芸術界・・・読者はすでに韓国文学に死刑宣告を下した。
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・村上さんのお言葉は"私は歴史問題に対して生半可な判断を拒否する"という意を婉曲に表現されたことだけです。韓日間の歴史紛争に介入するのを拒否するという深い意味がある。実際に村上春樹さんと同じ立場をみせる文学作家で司馬遼太郎さんが有名だが、その方も韓日間の歴史紛争に介入するのを拒否する立場です。もし本当に村上さんが日本近現代史に深い関心を持った人物ならばノーベル文学賞を受けた文学作家である大江健三郎さんのようにNGO活動に熱心に活躍したでしょう。
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・韓国の小説は理念や政治病患者たちの注入式ごみの山を名作だと褒め称えるけれど。
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・お言葉一言一言が立て板に水です。信念が確固たる知識人は話す表現も格別ですね・・
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・多様な文学的スペクトルが存在して理由の自由さが幅広い日本の文壇に比べて韓国の文壇はどれくらい偏狭なのか。
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・訪日旅行客世界1位、日書著作権支出世界1位(人口規模、GDP換算時圧倒的1位!!)
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・春樹の小説はどうしてもすべて似ている感じがある・・春樹はむしろ昔の作品がはるかに良かった・・
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・だから村上さんのお言葉は"韓国人たちよ、どうかちょっと韓日間の過去の歴史清算に私を巻き込まないで"このような意味である。親日派とか慰安婦とか徴用者とか云々する韓国人の口達者を本当に嫌いだという意味だね。
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・各種協会の乱立でコネ作りしてこそのヘル朝鮮
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・後世に記憶される本物の芸術作品はその時代では合わない可能性があるという話だ。結局みなに合う芸術はそのまま消耗品ということである。
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・"すばらしい戦争だった。誰が何と言っても偉大な時代だったと"このような危険な発言に変質するのです。アニメーションで戦争を描写するときも製作者のメッセージを入れるならば大丈夫だが、戦争を単純に描写するばかりなのは大きな罪悪だと私は信じています。手塚治虫
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・生まれかわったら作家になりたい
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・これがなぜメインにあがった
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・春樹・・すばらしい・・
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・大江健三郎>>>>>村上龍>>>>>>村上春樹
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・インタビュー一つでも多くの考えをさせられますね。よく読みました!
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・水で薄めてるのではなくて???
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・韓国の文学はことごとく政治の話だけするので退屈
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・韓国に蔓延する反日プレミアムを勝ち抜いて韓国の文学の主流に位置した春樹。
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・慰安婦ならば泡を吹いて反日を叫びながら、春樹の小説は予約して買ってみる韓国人たち
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・春樹さんが肝に銘じなければならないことがある。私の民族は帝国主義をしてみたことがあると話せるのは誇らしいことという点だ。
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↑、私の民族は一時世界を威嚇するほど強かった、その点は誇らしいが私たちの先祖は人を踏みにじる利己的で正しくない方向にその力を使ってしまって恥ずかしい、こうすれば目覚めている人であって。
↑、私の民族は一時世界を威嚇するほど強かった、その点は誇らしいが私たちの先祖は人を踏みにじる利己的で正しくない方向にその力を使ってしまって恥ずかしい、こうすれば目覚めている人であって。
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